メンバーの位相 メルプロジェクトのリ・デザイン


 メルプロジェクトは5年期限であり、予定通り2005年度(2006年初頭) をもってその活動を終了します。しかし「ハイ、さようなら」ということで はありません。これまでメルはさまざまな新しい領域へめまぐるしくチャレ ンジをし、みなさまとともに有形無形のネットワークを作ってくることがで きました。それはかけがえのない「公共知」、あるいはクリエイティブ・コ モンズだといえます。
 私たちは一端リセットボタンを押したあと、次の新しい次元での活動のあ り方を模索しようと考えています。その準備のためもあり、最終年度、次の ようなかたちでメルプロジェクトの仕組みを変えることにしましたので、こ こにお知らせいたします。

(1)合議によりメルプロジェクトを差配するというリーダー(境真理子、菅谷明子、林直哉、水越伸、山内祐平)制を2005年 3月で終わりにしました。メルがはじまってしばらくのあいだは、それぞれ の領域を見渡しながら、メンバーを引っ張ったり、ディレクションを与える 「長老」のような人々が必要でした。しかしさまざまなサブプロジェクト、 関連プロジェクトが自律分散的に展開した現在、リーダー制はその役割を円 満に終えたといえます。今後は水越伸がコーディネーターとなり、後述のモ デレーターその他の担当者とともにプロジェクト群を協調させつつ、最終年 度のとりまとめをしていくことにします。そのほかのリーダーも引き続き重 鎮メンバーとして協働作業を進めます。

(2)2005年4月以降の公開研究会は「メルプロジェクトの相貌」という テーマのシリーズとなります。メルプロジェクトがこれまで4年間にやって きたことを整理してふり返り、その可能性と課題を浮き彫りにしていく予定 です。今後7回前後の公開研究会が予定されていますが、それぞれの会に特 定のテーマや話題が配置され、それらが有機的に連関してメルの全体像をカ バーすることになります。毎回の公開研究会にモデレーター(司会調整役) を配置します。

 これから一年弱、私たちは楽しく、力を尽くして疾走いたします。どうか これまでにもましてご支援下さいますようお願い申し上げます。

2005年3月31日 (コーディネーター:水越伸)

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◆―モデレーターとモチーフについて― 「メルプロジェクトの相貌」

 2005年4月以降の公開研究会「メルプロジェクトの相貌」シリーズでは、メルプロジェクトがこれまで4年間にやってきたことを整理してふり返り、その可能性と課題を浮き彫りにしていきます。各回の公開研究会には特定の「モチーフ」を配置し、それらを有機的に連関させてメルプロジェクトの全体をカバーすることになります。また、毎回の公開研究会にモデレーター(司会調整役)を配置します。

 「モチーフ」は、メルプロジェクトがこれまでおこなってきたさまざまなプロ ジェクトに共通して組み込まれていた観点やコツのようなものごとです。サブプロジ ェクト、関連プロジェクトが地理的な領域のようなものだとするならば、「モチー フ」は領域がちがっても共通して見出すことができる遺伝子(ミーム)のようなもの だといえます。モチーフはひとことでは言えないので、日本語と英語の名詞 と動詞を組み合わせた一連のキーワードのセットであらわしてあります。その 結びつきから立ち上るイメージをご理解いただければと思います。これらの 「モチーフ」の組み合わせと、領域の拡がりを検討することで、メルプロジェ クトの全貌が描き出せるだろうと考えられます。

 この「モチーフ」を検討することが、2005年度の公開研究会のシリーズの実質的内容 です。下記にモチーフと、モデレーターを列挙しました。

■5月21日(土)
 テクノロジー=technology
 異化/遊ぶ=awareness/playing

私たちを取り巻いているメディアの当たり前の姿を問い直し、今はない姿を見出すような営み。メディア遊びの位相。

 伊藤昌亮(東京大学大学院博士課程)

■6月18日(土)
 アイデンティティ=identity
 イメージ/出会う=image/encounter

現代社会では国や地域、他者のイメージがメディアによってつくられていること、自らのアイデンティティもそれに関わって形づくられていることを意識し、それらのイメージを超えて出会うことの可能性を追求する営み。

 北村順生(新潟大学助教授)

■7月16日(土)
 ワークショップ=workshop
 身体を動かすこと/場をつくる=performance/emergence

さまざまな道具を用いてコミュニケーション可能な場をデザインし、そのなかで身体を動かしてものごとをより深く理解していく試み。

 上田信行(同志社女子大学教授)

■7月29日(金)〜31日(日)=メルプロジェクト合宿
 道具箱=tool box
 かたちにする/使いこなす=forming/enabling

メルプロジェクトが進めてきた多様なプロジェクト、授業実践、ワークショップなどを概観し、その知見を批判的に整理して一般化していく試み。

 河西由美子(玉川大学専任講師)

■9月17日(土)
 異文化=cross culture
 対話/つなぐ=dialogue/connecting

送り手と受け手、企業と大学、学校と博物館など、異なる社会領域を結びつけ、あらたなコミュニケーションの回路を生み出していく営み。

 境真理子(江戸川大学教授)

■10月22日(土)
 ソフィア・ウーさんと進める東京宣言中間検討会

■11月26日(土)
 ソフィア・ウーさんと進める東京宣言中間検討会(2)

■12月17日(土)
 新聞のメディアリテラシーって!: 実践の広がりと展望

■1月28日(土)
 コミュニティ=community
 循環/パブリック=circulate/public-ing
メルプロジェクトの諸活動を維持し、社会に拡げ、さまざまな人々が交流し、交換できるパブリックな場を生み出していく試み。

 長谷川一(東京大学助手)

■2月18日(土)
 シンポジウム内容についての検討会・東京宣言検討会

■3月4日(土)〜5日(日)
 メルプロジェクト・シンポジウム