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メルプロジェクト・メールマガジン
『メルの環』2003年4月号

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メルプロジェクト・メンバーのみなさまへ

 春暖のみぎり、東京では桜が見ごろを迎えています。あんなにやわらかい花なのに、一気に咲いて一気に散る、その後はすがすがしい緑の葉がまた楽しませて くれますが、なんとも切ないというか、つかまえどころがないというか。ただ愛でるだけではすまされない、何かが桜にはある。花見に行くのだ行かねばならぬ、と落ち着かない気持ちにもさせられます……。みなさま、きれいな桜といいお時間をお過ごしでしょうか。
 さて、メルプロジェクトは、3月7〜9日の3日間にわたるシンポジウム「メディア表現、学びとリテラシー2003:メルプロジェクトの衍生(えんせい)」を無事終えることができました。多くの方々にご来場いただき、この『メルの環』へのお申し込みもたくさんいただきました。たいへんありがとうございました。
 シンポジウムで活動報告をおこなったように、昨年度、メルプロジェクトではたくさんのサブプロジェクトの実践をおこないました。それらのプロジェクトの多くにひと区切りがつく一方で、今年度からはじまるあたらしいプロジェクトの計画もあります。ひきつづき、みなさまのご支援・ご指導をお願いいたします。

□メルプロジェクト・プロジェクトリーダー
 市川克美(NHK番組制作局)    境真理子(日本科学未来館)
 菅谷明子(経済産業研究所)    林直哉(長野県立梓川高校)
 水越伸(東京大学大学院情報学環) 山内祐平(東京大学大学院情報学環)

では、今月号の内容です。

━━━━━━━━━━『メルの環』2003年4月号  目次━━━━━━━━━━━━

メルプロジェクトからのお知らせ

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 ◆ メルプロジェクト 2003シンポジウム 3/7〜9
    おかげさまで無事終えることができました

 ◇ シンポジウム後日談:
    〜〜ソフィア・ウーさんら台湾ご一行、日本を東から西へ行脚す〜〜

 ◆ メルプロジェクト 4月公開研究会のご案内

 ◆ メルプロジェクト 5月公開研究会のお知らせ

ニュース/ご案内など

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 ◆ Web世界を背負って立つ人はだれ?
    「第1回Webクリエーション・アウォード」

 ◆ 関西方面の方へ――〈動くこどもの城〉プロジェクト
    「絵本とコミュニケーション 〜創造的な絵本の世界〜」

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メルプロジェクトからのお知らせ

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◆◆ メルプロジェクト 2003シンポジウム 3/7〜9
        おかげさまで無事終えることができました  ◆◆

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 1日目はどしゃぶり、2日目は強風、最終日3日めにしてようやくおだやかな初春の光、とまるでメルプロジェクトの道のりを思わせるかのような天候の3日間。前半の悪天候にもかかわらず大勢の人々にご参加いただき、おかげさまでメルプロジェクト・シンポジウム2003は(ハプニングもありましたけれども)盛況をもって終えることができました。具体的な実践プロジェクトの活動報告をはじめ、いろいろな意味で成功だったと一堂うれしく思っています。登壇者のみなさま、参加者のみなさま、関係者のみなさま、有形無形でサポートしてくださった方々、ほんとうにありがとうございました。
 怒濤の3日間を終えたあと、集計してみたら来場者はおよそ330人。みなさまからはさまざまな声をいただきました。あたたかい声はもちろんなのですけれども、手きびしい声こそありがたく受け取りました。一部をご紹介します。

◇アンケートから
 『具体的な実践の成果を見聞きできた。楽しく、考える時間をもてた。とくに「本」についてはいろいろな発見があった』(テレビ局勤務)
 『座っているだけのシンポじゃなく、参加型だったのがよいと思った。発信の大切さをつよく感じた』(高校教諭)
 『各実践の報告時間が限られていたので、分科会のように会場を分けて出入りも自由にして、時間に余裕を持たせてほしかった』(大学生)
 『アカデミックなシンポジウムとはまったくちがう、ゆる〜い雰囲気で知的な柔軟性があった』(大学講師)
 『久しぶりに「アジる」という言葉を耳にしました』(研究員)
 『メルはひじょうに幅広い人たちによって組織されている』(高校教諭)
 『「学校ふにゃふにゃ計画」にとりくんでみたい』(養護学校教諭)
 『授業に活用できる内容がたくさんあった』(大学教諭)
 『よくもわるくも、こうした取り組みには様々な課題があることを実感した』(高校教諭)
 『民放連プロジェクトはもっと事前の宣伝活動を強化して人びとの関心を高めるべきだったと思う』(大学生)
 『メルプロジェクト自体が権威とならないようにしてほしい』(大学生)
 『5年といわず、もっと長くつづけないのか』(大学生)

などなど。なお、シンポジウムは、読売新聞夕刊(3/12)、「民間放送」(民放連の機関紙・3/13日号)、東京新聞(3/23)、「新聞協会報」(3/25)などでとりあげられました。

◇民放連プロジェクト 〜〜みなさま、おつかれさまでした〜〜
全国4地区でメディア・リテラシーの実践をおこなってきた、メルプロジェクトと民放連との共同プロジェクト「民放連プロジェクト」は、このシンポジウムでいちおうの区切りとなりました。この経験を今後につなげるべく、民放連スタッフ・本橋春紀さんからつぎのようなメッセージをいただいています。

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民放連プロジェクトに参加いただいた方そして、サポートしてくださった方へ

ありがとうございました。まだ、実践が続いているところもあるのですが、2年間のこのパイロット研究(事業)が、紆余曲折を経ながらも、何とかゴールにたどり着くことができたのは、みなさまのご尽力と寛容の精神の賜物です。民放連の担当者として、改めてお礼を申し上げます。色合いの差はありながらも、一つ一つの実践から、放送局と子どもたち(大人もですが)の関係を組み替える可能性が見出せたように思います。同時に課題がたくさんあることもわかりました。民放連は、来年度は、

(1)このプロジェクトの成果を踏まえた、メディアリテラシー活動実践のためのハンドブックの作成(メルプロジェクトとの共同編集の予定)

(2)民放関係者を中心に各地のメディアリテラシー活動関係者を集めるシンポジウム

(3)各民放局の取組状況の調査

-----をやりたいと思っています。ひき続きご協力ください。

民放連・本橋春紀

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◇◇ シンポジウム後日談:
   〜〜ソフィア・ウーさんら台湾ご一行、日本を東から西へ行脚す〜〜 ◇◇

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 シンポジウム「メルプロジェクトの衍生(えんせい)」においでいただいた台湾政治大學傳播学院・呉翠珍(ソフィア・ウー)さん、同大學付属小學校・張麗華(チャン・リーファ)さんたちご一行6名様は、シンポジウム終了の翌日から、日本を東から西へ大移動し、幾多の交通機関のトラブルなどに巻き込まれながらも、持ち前のテンションの高さと抜群の明るさで、各地によい波紋を巻き起こしました。まさにシンポジウムのテーマ「衍生(いえんしゅん−−中国語)」の語義どおり、ものごとに奥行きや拡がりを持たせ、その中から新しいものを生み出してくださいました。メルプロジェクトからは劉雪雁と水越伸が随行(?)、静岡では堀田龍也さん、福岡では高宮由美子さん、大谷順子さんらにお世話していただきました。

・3月10日(月)

 静岡県浜松市立南部中学校で授業視察と意見交換
 静岡大学情報学部日中メディア・リテラシー懇親会

・3月11日(火)

 静岡大学情報学部「メディア・リテラシー教育を考える」ミニ・フォーラム
 福岡市南区で民放連プロジェクト福岡実践の関係者とパーティ

・3月12日(水)

 「子ども文化コミュニティ」での研究会

 その後ご一行は、湯布院で一泊、もう一度新幹線で東京に戻り、15日(土)に無事帰国されました。関係者の皆さん、どうもありがとうございました。
 今後とも台湾との交流はじっくりと、長く続けていきたいと思っています。

下記はソフィアさんとチャンさんのホームページです。

・台湾政治大學傳播学院呉翠珍(ソフィア・ウー)副教授

 <http://www.comm.nccu.edu.tw/index1.htm>

・台湾政治大學付属小學校張麗華(チャン・リーファ)老師藝術輿人文的網站

 <http://idv.creativity.edu.tw/ortus/modules/news/>

(劉雪雁・水越伸)

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◆◆ 4月公開研究会のご案内 ◆◆

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メルプロジェクトでは、定例の公開研究会を下記の要領で開催します。今回は、メルプロジェクトのサブプロジェクトを生み出 している東京大学大学院学際情報学府(情報学環の教育組織)の授業「メディア表現論」の発表会をおこないます。どなたでもご参加自由です。あたらしく『メルの環』に登録されたみなさまも、急なご案内で恐縮ですがどうかお誘い合わせの上、ふるってご参加下さい。

  2003年4月メルプロジェクト公開研究会

○ 日 時  4月5日(土)午後1時から4時まで
○ 場 所  東京大学大学院情報学環暫定建物二階会議室
       <
http://www.iii.u-tokyo.ac.jp>の地図を参照して下さい
       緊急の場合には、水越(070-5540-4540)までご連絡ください
○ テーマ  2002年度「メディア表現論」報告会
○ 概 要
 デジタル・メディア社会における人々の自己実現と、共同体の形成、維持、ネットワーク化のためには、「メディア表現」としてのコミュニケーション活動の充実を図ることが欠かせません。この授業では、子どもたちを含めた一般の人々が、日常生活の文脈の中でおこなうメディアに媒介されたコミュニケーション活動全般のうち、表現の領域を実践的にデザインすることを進めました。
 授業の前半は講義。メディアアーティストの岩井俊雄さん、熊本で住民ディレクターを差配されている岸本晃さんなどの「達人」にもお越しいただきました。後半は、約20名の大学院生が下記のようなチームを作り、実際のメディア表現のプランやデザインをしていきました。今回はその発表会です。

■「チーム・アニメディア」

 粘土アニメを用いた、メディアリテラシーについてのワークショップ。伝統的な連歌や、メディアアートの「連画」プロジェクトのようにして、複数のチームが粘土アニメをつないでいくなかで、映像づくりの意味を より深く考えてもらうという仕掛けがあります。

■「アジテーター・チーム」

 日本人は公共の場で発言が少ないなどと言われます。言いたいのに言えないのか、言うべき何かを持たないのか? このチームは公共的な空間において、自分の言いたいこと、表現したいことを、それに見合ったメディアを自分の手で作って表現してみるという、メディア論的な試みに挑戦しました。東京学芸大学付属中学校で実践。

■「ブン屋チーム」

 シニアと子どもという異世代の人々をインターネットで結び、ウェブ学級新聞作りソフトを活用して相互交流を生み出していこうという実践プログラム。お年寄り、子どもといった、ともすればステレオタイプになりがちな属性も、そのプロセスでひっくり返していくことまで仕掛け、お茶の水女子大学付属中学校とアクティブ・シニアのグループを結びつ けて進められました。

■「OCT(オンライン・コラボレーション・チーム)」

 教室には来られない社会人が、学府のe-ラーニングシステム「iii online」 をフルに活用して進めたチーム。インターネットの普及とデジタル化の はざまにおかれたコミュニティFMに焦点を当て、この小さなメディア がおかれた現状と課題を整理し、現実的な提言をおこなうというプラン ニング型の成果を出しました。

■「ゆけむり5。」

 2003年度「情報リテラシー論」から生まれたメディア・リテラシーのワークショップ「ゆけむり事件の謎」は、NHKのテレビ番組として制作、放送されました。そのプロセスを振り返りながら、放送のプロと一般市民が共同で番組を制作するためのさまざまな課題を克服するガイドライン作りを進めました。

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◆◆ 5月公開研究会のお知らせ ◆◆

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5月の公開研究会は、岩波書店から新刊「未来をつくる図書館」(岩波新書)を刊行予定の菅谷明子さんの発表です。テーマは図書館。菅谷さんからのメッセージをお伝えします。

○5月公開研究会テーマ
「公共コミュニケーションメディアとしての図書館〜ニューヨークの事例から」

えっ、これが図書館? アメリカの公共図書館は、地域の情報センターであり、IT基地であり、何より市民の潜在能力を引き出すための情報支援や地域コミュニティ作りを積極的に行っている公共的なメディアです。起業や芸術をサポートしたり、情報リテラシー教室、医療情報の提供や子どもの宿題ヘルプのほか、同時多発テロ直後にはウェブサイトを通じて地域情報を提供するなど、実に多様なサービスを行っています。今回は「未来をつくる図書館」(岩波新書) 刊行にあたり、これまで約5年間にわたって取材を行ってきたニューヨーク公共図書館をテーマに、日本のIT情報化に欠けている視点をふまえながら、公共的なメディア空間の可能性について考えてみたいと思います。(菅谷明子)

詳細はおってご連絡します。どうぞお楽しみに!

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ニュース/ご案内など

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 ◆ Webの世界を背負って立つ人はだれ?
    「第1回Webクリエーション・アウォード」

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3月1日、(社)日本広告主協会・Web広告研究会主催で、こんなアウォード企画がスタートしました。

http://award.wab.ne.jp/index.html

この「第1回Webクリエーション・アウォード」は、ウェブのマーケティングやコミュニケーションの環境作りに貢献した「人」にスポットを当て、表彰しようという新しい試みです。これまでも、「作品」や「事業」を表彰するアウォードはいくつかありました。しかし、ウェブにおいては、様々な人たちが関与し、また領域も複雑に絡み合っているプロジェクトが多い。それにふさわしいコンテスト形式を模索してきた結果、このようなかたちになったといいます。このアウォードには、2つの意味がみてとれます。ひとつは、これが「ウェブの世界の“プロジェクトX”」を志向しているということ。ウェブという新しいメディアの歴史を「同時代史」として発掘し、残していこう……これは、NHKのそれが、どちらかと言えば「懐古的」なムードにあるのと違い、現在進行形をどのように歴史として記述していけるかという試みだと思います。
もうひとつは、その審査のプロセスにあります。このアウォードでは、第一次審査を「掲示板」での公募(情報収集)で行います。その上でいくつかの情報を、取材を通じて「レポート化(ストーリー化)」し、そのストーリー(作品)を再度公開し審査対象にします。こうした開かれたプロセスも、「顕彰」という行為を、どうやって実践の場にフィードバックしていくかを考えた実験的な試みです 。掲示板による第一次審査の「公募(情報収集)」は、6月までおこなわれます。興味のある方は、ぜひ上記HPの「掲示板」をのぞいてみてください。インターネットの中心は「人」である、というコンセプトのもと、活気ある情報がとびかっています。

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 ◆ 関西方面の方へ――〈動くこどもの城〉事業
    「絵本とコミュニケーション 〜創造的な絵本の世界〜」

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3/21〜4/6まで、京都府相楽郡の大川センター/CAMPにて、『絵本とコミュニケーション』をテーマとした展示会+ワークショップが開催されています。これは、東京都渋谷区にある総合児童センター「こどもの城」による、全国的な規模での児童館活動の一層の推進を目的に、各種プログラムのノウハウを各地の児童福祉施設に紹介・普及活動する〈動くこどもの城〉事業のひとつです。グラフィックデザイナー駒形克己氏のユニークな絵本展示とワークショップ、関心のある方はぜひ足をお運びください。

詳しくは:

http://www.camp-k.com/workshop/index_komagata.html

 大川センター/CAMP
 〒619-0237 京都府相楽郡精華町光台3-9
 URL:
http://www.camp-k.com TEL:0774-98-1130

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メルプロジェクト・メールマガジン『メルの環』は、東京大学大学院情報学環「メルプロジェクト」メンバーのみなさまにお送りしています。 このメールマガジンについてのご意見やお問い合わせは下記までお願いいたします。

 水越伸(メルプロジェクト・東京大学大学院情報学環)

 shin@iii.u-tokyo.ac.jp

『メルの環』編集担当

 松井貴子(水越研究室アシスタント)
 上杉嘉見(名古屋大学大学院) 内川奈津子(早稲田大学) 矢久保飛鳥(立命館大学)

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         東京大学大学院情報学環「メルプロジェクト」
              <
http://mell.jp/>

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        Media Expression, Learning and Literacy Project
   on Interfaculty Initiative in Information Studies, The University of Tokyo
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