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メルプロジェクト・メールマガジン
「メルの環」2004年8月号

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去年の冷夏にたいしては、「夏らしくない!」と文句を、今年の猛暑にたい
しては、「いきすぎ!」と怒りを、結局、夏は何からの不満をとなえてしま
います。みなさまはいかがお過ごしでいらっしゃいますか。
メルプロジェクトの公開研究会は、夏が終わるまでお休みです。今号では9
月以降の公開研究会の予定を掲載しました。また、例年のシンポジウムの開
催日程(今年度は2月!)もお知らせいたします。どうぞご予定ください。
                             (編集担当)


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               ■ 目次 ■ 
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MELL Project News
■1■[メルプロジェクト] 6月公開研究会がひらかれました

■2■[メルプロジェクト] 今後の公開研究会の予定

Other Information
■3■ 〜福岡県便り 地域におけるメディアリテラシー活動を目指して
       ―― 福岡県青少年メディア環境改善対策事業の取り組み

■4■ ケータイ・モバイル研究の実践第一弾、まもなくスタート!
       ―― モバイル・メディアの文化とリテラシーをめぐって

■5■ 〜北海道便り ローカルメディアの環境と文化創成のために
       ―― 「ドキュメンタリーとローカルメディア研究会」の試み

■6■ インドネシアの映像と暑い夏の一日
       ――有志が集った映像上映会の報告

■7■ 東京都による情報リテラシー教育講座のご案内




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               ■ 本文 ■ 

MELL Project News
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■1■[メルプロジェクト] 6月公開研究会がひらかれました

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 6月のメルプロジェクト公開研究会は、松本市で開催された「松本サリン事
件10年――報道の送り手と受け手について考えるシンポジウム『はたして報
道は変わったか そして被害者は今』」(メルプロジェクト共催)をもってかえ
させていただきました。事件報道のあり方におおきな波紋を投げかけた松本サ
リン事件から10年を経て、あらためて報道と視聴者の関係を考える貴重な会で
した。会場には松本市民、メディアの問題に関心のある全国の人々、松本美須々
ヶ丘高校の学生・OB/OG、ご父兄ほか、多数の参加者が集い、講演、報告、
ディスカッションなどが行なわれました。


  2004年6月メルプロジェクト公開研究会

○ 日 時  6月26日(土)午後1:30〜5:00
○ 場 所  長野県松本市・信州大学旭町キャンパス高等教育システムセンター
○ 参加者  約180名
○ テーマ  「はたして報道は変わったか そして被害者は今」
○ 登壇者  飯岡詩朗(信州大学人文学部専任講師)
       河野義行(松本サリン事件第1通報者)
       磯貝陽悟(テレビ朝日、RSS専務理事)
       下村健一(市民メディアアドバイザー) 
       長野県メディア・リテラシー研究会、林直哉ほか
○  概 要
 松本サリン事件から10年を迎えた今夏、報道と視聴者の関係を考える「松
本サリン事件10年――報道の送り手と受け手について考えるシンポジウム
『はたして報道は変わったか そして被害者は今』」が開催されました。当日
は多くの参加者を集め、登壇者がそれぞれの立場から語る多様な意見に熱心
に耳が傾けられました。
 第一部では、10年前、松本美須々ヶ丘高校放送部の生徒が「報道被害とマ
スコミのあり方について、報道の最前線にいた記者たちへのインタビューで
迫った」作品をベースに、当時何が、どのように起こっていたのかを、番組
を作った高校生の視点、直接報道被害を受けた河野義行さん、事件の早い段
階で「河野犯人説」に疑問を投げかけたテレビ朝日の磯貝陽悟さん、TBS
の下村健一さん(当時)の2人のジャーナリストの視点から振り返りました。
事件報道の場合、警察発表に頼りがちな限られた取材と速報性を求められる
中、報道被害が起きてしまう構造と、独自の視点で丹念に検証することの重
要性が報告されました。
 同時に10年を経て、受け手の側から、マスメディアに就職して送り手側に
立場を変えた松本美須々ヶ丘高校放送部OBが、今回改めて3社を取材し、
送り手側は「部分的には変わったけれど、変わることができない部分がある
のでは」と実感を話しました。第一部でみえてきたのは、マスコミに正確さ
ではなくて「正しさ・正義」を求める受け手の構造が変わらないかぎり、送
り手の側に大きな変化はないのではということであり、それは会場の高校生
から発せられた「まちがった報道を訂正するのに謝罪はあたりまえでは」と
いう問いに集約されていたように感じます。
 第二部では、報道の「訂正」を減点法ではなく、加点法として捉える発想
の重要性や、インターネット・携帯電話など受け手が手軽に送り手となる時
代の「情報」との付き合い方、事件を一方からではなくあたかも検事と弁護
士のように両面から報道し提示する事など、「受け手」と「送り手」の関係
そのものを良い方向へ変化させていくことへの期待と必要性を意識した提言
がなされました。(中村大祐:長野県長野高等学校、長野県メディア・リテ
ラシー研究会、メルプロジェクトメンバー)


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■2■[メルプロジェクト] 今後の公開研究会の予定

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7、8月は夏休みとして公開研究会はお休みです(2カ月のあいだ休みを満
喫するメンバーがいるとは思えませんが……)。9月から、気をとりなおし
て、ではないですね、気概を新たにして、下記の日程で公開研究会を開催い
たします。なお、例年3月におこなってきたメルプロジェクト・シンポジウ
ムは、次回は2月19・20日を予定しています。そのため、2月の公開研究
会はお休みとし、3月に今年度最後の研究会を開催します。場所はいずれも
東京大学本郷キャンパス・大学院情報学環アネックスを予定しています。み
なさまどうぞご予定ください!


■2004年度メルプロジェクト公開研究会・今後の予定
 □ 9月 25日(土) 
 □10月 23日(土) 
 □11月 27日(土) 
 □12月 28日(土) 
 □ 1月 22日(土)
  (2月18日(金)メルプロジェクト・(社)民放連の共同研究報告セミナー)
  (2月19日(土)20日(日)メルプロジェクト・シンポジウム開催) 
 □ 3月 19日(土)
 会場 東京大学本郷キャンパス・大学院情報学環アネックス
 時間 午後3:00〜6:00


メルプロジェクトの公開研究会は参加申込み・参加費不要、どなたでもご参加
いただけます。みなさまのご参加をお待ちしています。




Other Information
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■3■ 福岡県便り〜 地域におけるメディアリテラシー活動を目指して
          ―― 福岡県青少年メディア環境改善対策事業の取り組み
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 現在、福岡県では、文部科学省の委託を受けて「福岡県青少年メディア環
境改善対策事業」を実施しています。この事業は地域におけるメディアリテ
ラシー・プログラム開発とメディアリテラシーのためのファシリテーター養
成を目的としたものです。企画・実施はNPO子どもとメディア、NPO子ども
文化コミュニティが行い、総合指導に水越伸(東京大学大学院情報学環助教
授)があたり、NTTドコモ・モバイル社会研究所のコア研究グループが協力
しています。
 その一環として7月から始まった「メディアリテラシー・ファシリテーター
養成講座」では、講師に同グループから水越伸さん、伊藤昌亮さん、林田真
心子さん、そして地元福岡から佐野彰さん(九州産業大学芸術学部講師)、
黒岩俊哉さん(九州産業大学芸術学部助教授)などを迎えています。8月に
は「ケータイを活用したリテラシー」の実践的研究として、福岡県八女郡上
陽町で子どもたちを対象とした実践ワークショップを行なう予定です。活動
の様子は順次報告していきます。どうぞご期待ください。
(高宮由美子:NPO子ども文化コミュニティ代表理事、「メルの環」福岡特派員)



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■4■ ケータイ・モバイル研究の実践第一弾、まもなくスタート!
          ―― モバイル・メディアの文化とリテラシーをめぐって
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 4月のメルプロジェクト公開研究会で熱い議論を巻き起こしたケータイ・
モバイル研究。「メルの環」4月号でもお知らせごしたとおり、メルリーダー
の水越伸は、今春よりNTTドコモ・モバイル社会研究所のコア研究の一つと
して、「モバイル・メディアの文化とリテラシーをめぐるソシオ・メディア
研究」を主宰します。
 さて、この研究プロジェクトの実践第一弾がいよいよ福岡で行われます。
上記のとおり、今回の実践はNPO子どもとメディア、NPO子ども文化コミュ
ニティと共同して行なわれるものです。福岡県青少年メディア環境改善対策
事業の「メディアリテラシー・ファシリテーター養成講座」と連動し、緑豊
かな山間の町・上陽と青い海を望む津屋崎町で、子どもたちとのケータイ遊
びを展開します。その名も“世にも希な上陽マップづくり”“私は誰でしょ
う?”。福岡の小・中学生約20人とともに、ケータイを手に野山を散策し、
自分とケータイとの関係性を自然の力をかりて編みかえていくユニークな試
みです。そのパイロット版はメルプロジェクトの夏合宿で実施する予定。乞
ご期待!
(林田真心子:東京大学大学院情報学環博士課程、メルプロジェクトメンバー)


□ NTTドコモ・モバイル社会研究所
http://www.moba-ken.jp/index.html
□ コア研究「モバイル・メディアの文化とリテラシーをめぐるソシオ・メディ
 ア研究」
https://www.moba-ken.jp/core/core04.html



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■5■ 北海道便り〜 ローカルメディアの環境と文化創成のために
        ―― 「ドキュメンタリーとローカルメディア研究会」の試み
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 北海道札幌市では、去年6月にローカルメディアの環境と文化を生み出す
ための活動として「ドキュメンタリーとローカルメディア研究会」が発足し
ました。北海道というローカルの表象を描いてきた過去のドキュメンタリー
を、現場と大学、市民を繋いで再検討し、再評価することを目指して、およ
そ月1回のペースで研究会の開催を重ね、2004年8月で13回目を迎えます。 
 この研究会は、北海道を素材として、北海道で制作され、北海道で放送さ
れた(全国放送も含め)過去のテレビドキュメンタリー番組を上映し、話し
合う、一種の勉強会です。その特徴は、とりあげる映像が地元の番組である
ため、当時の番組担当者に出席してもらい、豊かな情報交換ができること。
また、研究者だけではなく、研究者が仲介役になり、札幌所在の民放テレビ
局の五つ(HBC、STV、UHB、HTB、TVH)から主にドキュメン
タリーを制作・担当してきた現職の人、そして独立プロダクションの人たち
によるネットワークを築いている点にあります。まだ規模は小さく、市民が
自由に参加する雰囲気にはなっていませんが、今後の公開ワークショップの
開催なども企画しています。
 北海道における新しいドキュメンタリーの歴史と文化への整理と理解がど
こまで完成できるのかは未知数ですが、一つの試みとして、しばらく模索し
続けてみたいと考えています。ご関心がある方はどうぞご連絡ください。
(崔銀姫:北海海道東海大学、メルプロジェクトメンバー)

□「ドキュメンタリーとローカルメディア研究会」
http://almed.jp/DALM/index.html



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■6■ インドネシアの映像と暑い夏の一日
                ―― 有志が集った映像上映会の報告
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 去る7月19日の海の日、東京大学大学院情報学環・プロジェクトルーム
に有志が集い、映像文化や映像制作について考える機会としての上映会が行
なわれました。ゲストとしてお招きしたのは、大阪市立大学大学院文学研究
科の石田(いした)佐恵子さんです。上映会は、石田さんが進められている
「ジョクジャカルタ・ビデオ・プロジェクト2004 "Street Cultures in
Yogyakarta"」でインドネシアの学生が制作したビデオを見ながら、軽く食
事をしてトークをするというゆるやかな形で進行し、ジョグジャカルタのス
トリート・カルチャーをテーマにした6本の作品が上映されました。これら
の作品は、私たちの目から見ると、それぞれにとても個性的で、それ自体と
ても面白いものでした。しかし、なかにはちょっと酔ってしまいそうなエ
フェクトが使われていたり、個人的には「これはいまいち…」と違和感を感
じる作品があるなどして、「果たしてこれは文化の違いなのか?」などと頭
を抱えてしまうことも……。こうした私自身の反応や、映像の見方自体が面
白いのではないか、と改めて感じました。
 映像制作や市民によるメディア表現の実践に携わっている参加者からは、
このプロジェクトの背景や目的に対する質問やプロジェクトのデザインに対
する指摘がなされ、それぞれの立場や視点と照らし合わせながら、当初の
「ゆる〜く」という企画を越えて、長時間にわたる白熱した議論となりました。
(坂田邦子:東京大学大学院情報学環助手、メルプロジェクトメンバー)




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■7■ 東京都による情報リテラシー教育講座のご案内
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 東京都生活文化局・東京ウィメンズプラの「平成16年度 小・中・高校教
員のための男女平等参画リーダー講座」にて、学校における情報リテラシー
教育の理論と実践、また子どもの心のケアについて学ぶことを趣旨とした講
座が開催されます。参加対象は、都内在住・在勤の小・中・高等学校の教員
です。参加ご希望の方は、FAX、郵便、またはEメールでお申し込みください。

             東京ウィメンズプラザ
     「小・中・高校教員のための男女平等参画リーダー講座」
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 □日 時  小・中学校教員向け : 8月5日(木)・6日(金) 
       高等学校教員向け  : 8月11日(水)・12日(木)
 □会 場  東京ウィメンズプラザ視聴覚室(渋谷区神宮前)
       http://www.tokyo-womens-plaza.metro.tokyo.jp/index.html
 □受講料  2000円(資料代として)
 □問合せ  東京ウィメンズプラザ講座担当(電話: 03-5467-1980)
  









           (2004年8月号 おわり)
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       (「メルの環」編集担当)
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             「メルの環」編集担当
   松井貴子(水越研究室アシスタント) 崔銀姫(北海道東海大学) 
   高宮由美子(NPO子ども文化コミュニティ)  山根かおり(pampam)
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         東京大学大学院情報学環「メルプロジェクト」
              
 プロジェクトリーダー
  境真理子(日本科学未来館)    菅谷明子(ジャーナリスト)
  林直哉 (長野県立梓川高校)   水越伸(東京大学大学院情報学環)
  山内祐平(東京大学大学院情報学環)
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Media Expression, Learning and Literacy Project
on Interfaculty Initiative in Information Studies, The
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