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メルプロジェクト・メールマガジン
「メルの環」2005年12月号

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みなさまこんにちは、もう12月を迎えました。家人の誕生日がこの月にあ
るのですが、しかし師走はただでさえ気ぜわしい。昨年のこと、翌週の予
定について話し合っていたとき、その誕生日を指して「この日は何がある
のか忘れたけど空けてあるんだよね、何で空けてあるんだっけ……」とつ
ぶやいてしまいました。しかもすぐには思い出せず、しばらく考えてから
「あ」と。冗談ですませるには遅すぎて、目の前には平気をよそおった暗
い笑顔がありました。今年は忘れないようにしなくては。
さて、今月の公開研究会は17日(土)に開催します。今回は「新聞」をテー
マに多様な登壇者をお招きしてお話をいただきます。率直な意見、活発な議
論が交わされるものとメンバー一同楽しみにしています。どうぞご期待くだ
さい!(編集担当)



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               ■ 目次 ■ 
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MELL Project News
■1■[メルプロジェクト] 12/17 12月公開研究会のご案内


■2■[メルプロジェクト] 11/26 11月公開研究会がひらかれました


■3■[メルプロジェクト] メルプロジェクト・シンポジウム
                   2006年3月4日・5日に開催!
                        

Other Information
■4■ 報告・メディアリテラシーの試み
        ―― 東海大学・学生たちの「4元マルチキャスト中継」

■5■ 報告・メディアリテラシーの試み2
            ――東北大学・メディア研究機構が始動

■6■ 報告・メディアリテラシーの試み3
             ――ソフィアさん、福岡に見参!

■7■ 12/23 「いま、中学生にとってテレビとは」のお知らせ
        ――テレビをめぐり、番組制作者と中学生が討論・議論!





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               ■ 本文 ■ 

MELL Project News
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■1■[メルプロジェクト] 12/17 12月公開研究会のご案内

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今年最後となる12月の公開研究会では、いよいよと言うべきか、近年「放送」
に主眼を置いて活動してきたメルではあまり取り上げてこなかった「新聞」を
テーマに据えて開催します。教育現場における新聞メディア・リテラシーの実
践の報告を軸に議論を展開する予定です。乞うご期待!
メルプロジェクトではみなさまのご参加を心からお待ちしています。



     メルプロジェクト12月公開研究会
「新聞のメディアリテラシーって!: 実践の広がりと展望」
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○ 日 時 2005年12月17日(土)午後2:00〜5:30
○ 場 所 東京大学本郷キャンパス情報学環アネックス2F会議室
      の地図を参照して下さい
○ 登壇者  報告:渡辺英美子(新潟日報)+北村順生(新潟大学)
          +新潟大学生
          岸尾祐二(聖心女子学院初等科)
  コメンテーター:桂敬一(立正大学)
          本橋春紀(日本民間放送連盟)
○ 概 要
 メルプロジェクトでは、これまでメディアリテラシーについて多様な観
点からさまざまなメディアを対象に取り組んできました。とりわけ放送に
関しては、日本民間放送連盟などとともに先駆的な実践プロジェクトを重
ねており、過去のシンポジウムや公開研究会などでもその成果を発表して
きています。しかしながら、もうひとつの主要マスメディアである新聞に
ついては、残念ながらメルプロジェクトではこれまであまり取り上げる機
会がありませんでした。
 そこで今回の研究会では、新聞をめぐるメディアリテラシーをテーマに
議論してみたいと思います。まず、今夏に新潟日報と新潟大学との共同企
画として実施した学生たちによる紙面制作プロジェクトについて、新潟日
報の記者である渡辺英美子さんらに報告してもらいます。「戦後60年」と
いう大きなテーマをめぐり、大学生たちが自ら企画、取材、執筆、編集と
いう活動を行う過程で、何を学んでいったのか? そしてその活動は、逆
に新聞にとっては何をもたらすことになったのか? その成果や課題につ
いて分析してみたいと思います。
また、もうおひと方、新聞のメディアリテラシーと深く関わるNIE活動
を小学校の教育現場において長年続けてこられた岸尾祐二さんにも報告を
お願いします。これまでの一連の実践を振り返り、NIE活動が新聞のメ
ディアリテラシーとどのように結びついていくのかをあらためて考えてい
きたいと思います。さらに、高等教育における実践と初等教育における実
践とを比較しながら見ていくことで、新聞のメディアリテラシーの多様な
あり方について広い角度から考えていけたらと思っています。
 コメンテーターには、新聞研究の第一人者のひとりである桂敬一さんと、
メルプロジェクトと民放連との共同プロジェクトの中心メンバーである本
橋春紀さんをお招きします。新聞をめぐるメディアリテラシーの特徴やそ
の可能性、新聞というメディアにとっての意義、あるいは放送のリテラシ
ーとの共通点や違いなど、さまざまな観点からみなさんで議論できればと
思います。(北村順生)



メルプロジェクトの公開研究会は参加申込み・参加費不要、どなたでもご
参加いただけます。みなさまのご参加をお待ちしています。





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■2■[メルプロジェクト] 11/26 11月公開研究会がひらかれました

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11月公開研究会は、台湾政治大學媒体素養研究中心のソフィア・ウーさん
による「メディアをめぐる知識とメディアリテラシー教育:イギリス、カ
ナダ、オーストラリア、台湾の比較文化的検討を通じて」の後編をおこな
いました。
ユーモアと鋭い示唆を交えたソフィアさんのお話に会場はわき、参加者から
は活発な質問も飛び交って活気ある会となりました。




  2005年11月メルプロジェクト公開研究会 報告

 日 時 2005年11月26日(土)午後2:00〜5:30
 場 所 東京大学本郷キャンパス情報学環アネックス2F会議室
 参加者 約40名
 テーマ 「メディアをめぐる知識とメディアリテラシー教育:
      イギリス、カナダ、オーストラリア、台湾の比較文化的
      検討を通じて」(後編)
 登壇者 報告  ソフィア・ウー=呉翠珍(台湾政治大學伝播學院
         媒体素養研究室・吉田秀雄記念事業財団客員研究員)
 通訳・解説   劉雪雁(国際通信経済研究所)
 コメンテーター 水越伸(東京大学大学院情報学環)
 モデレーター  河西由美子(玉川大学)

□ 10月の公開研究会で大好評だったソフィア・ウーさんによる、
比較文化的な見地に立ったメディア・リテラシー論の後編です。
 前編では欧米諸国のメディア・リテラシーの歴史的展開や、メディ
アリテラシー教育の世界的分布などを踏まえつつ、「WHY? なぜメ
ディアを学ぶのか」、「WHAT? メディアについて何を学ぶのか」
という根本的な2点について論じていただきましたが、今回は各国・
地域におけるメディア・リテラシー教育の実態から、「HOW? い
かにしてメディアを学ぶのか、その知識観とは」というテーマで講
義が展開されました。
 前編の「もみじ現象」に引き続き、後編の講義の導入は、日本の
皇室報道についての分析でした。「なぜ結婚前のプリンセスの写真
はすべて何かを『仰ぎ見る』構図なのか」という問題提起のもと、
例示されたいくつかの写真は、林の中や樹の枝の下で何かを「仰ぎ
見る」宮様の写真。ここまでは尋常なメディア観察・批評の範疇な
のですが、それを軽やかに体現されるところがソフィアさんの真骨
頂です。一連の写真の最後に発表されたのは、ソフィアさんご自身
が林の中をそぞろ歩きつつ、何かを「仰ぎ見」ている1枚。会場は
爆笑の渦に呑まれ、いつもながらのユーモラスかつしたたかで懐の
深いソフィアさんワールドに引き込まれました。
 講義は、英国、カナダ、オーストラリア各国のそれぞれの社会文
化的状況とメディア・リテラシー/メディア教育の成立の関係につ
いての概論から始まり、続いて台湾のメディア・リテラシー教育発
展の経緯と現状、最後にメディア・リテラシー教育の知識観につい
て言及されました。台湾の事例においては、1949年から1988年ま
での長期にわたる戒厳令下でのメディア統制とその後の解放、とい
う台湾の政治的社会的状況が説明され、その後現在までに台湾全土
の87%に普及したケーブルテレビ局の乱立(現在120局に及ぶ)と、
その結果としての視聴率獲得のためのなりふり構わぬ競争・競合に
よる番組内容の質の低下、相対的な公共放送の脆弱化といった台湾
固有の問題点が紹介されました。
 こうしたメディア状況に対抗するためのメディア・リテラシー教
育が内包する知識の特質をソフィアさんは、1)実践的なもの、
2)文化的背景と密接に関わるもの、3)定式化した回答を得るた
めのものではなく、オープンエンドな問いに導くもの、とし、社会
に存在するメディアの様態を所与のもの、自然発生的なものではな
く、構成されたものとして見る1970年代以降の批判理論をバック
ボーンとしていることを指摘されました。
 同時に主体的批判的な学習におけるメディア実践の意味とは、無
目的な単なる制作活動や操作技術の習得に留まるべきものではなく、
教育による民主化の実現であるとしつつ、「対話ワークショップ」
(2004年度)に代表される多くのメルプロジェクトの実践を、伝
統的な学生や教師の役割を脱構築しつつ協同的に実践を行うという
点で、いまや単なる学習方法を超え、メディア・リテラシーにおけ
る新しい知識の構成要素たるコミュニケーション・デザインの可能
性を志向するものと示唆されました。
 ソフィアさんの講演を受けて水越氏は、台湾をはじめとした他地
域の状況と引き比べたときに初めて私たちは、日本独自のきわめて
整然とシステム化されたメディア環境に気づくことができるとし、
台湾や欧米諸国のメディア・リテラシーが教育制度の中へ組み込ま
れることを通して発展してきたのに対し、MELLが日本のメディ
ア状況の中でまず目指したのは、教育としての制度化以前に、固定
したこのシステムへ揺さぶりをかけることだったのではないか、結
果としてMELLの実践の多くが独自の表現活動によって既存のメ
ディア組織と対峙してきたことは日本における必然ではなかったか
と分析されました。
 前編に続いて台湾のメディア・リテラシー教育番組『別小看我
(甘く見ないで)』の上映(今回は台湾で展開しているコカ・コー
ラ社の「Qoo」というキャラクター商品の販売戦略に関する内容)
もあり、講演後は参加者との間で活発な質疑応答が行われました。
 前・後編の2回を通じ、来春のメルプロジェクト・シンポジウ
ムにおける「メディア・リテラシーの東京宣言」への期待を抱か
せてくれる台湾からの報告でした。
(河西由美子:玉川大学、メルメンバー)




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■3■[メルプロジェクト] メルプロジェクト・シンポジウム
                   2006年3月4日・5日に開催!

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  ■□■  2006年3月4日・5日(土・日)  ━━━━━━━━━━


       メルプロジェクト・シンポジウム2006 開催
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        メルプロジェクトの5年間の活動を総決算!
  海外からのゲストもお招きし、報告・発表・ディスカッションなど、
        今年も2日間ぎっしりの内容で開催します!
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    ■日 時  2006年3月4・5日(土・日) 
    ■場 所  東京大学・本郷キャンパス 
          法文2号館(安田講堂の向かい)
          〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1

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2000年のはじめに発足したメルプロジェクトは、当初から活動期間を5年と定
めた時限つきプロジェクトでした。この2005年度が活動最終年度となります。
活動を始めてから、年1回、毎春に開催してきたメルプロジェクト・シンポジウ
ムはこれまでに5回を数えます。第6回目、そして最後のシンポジウムとなる次
回は、上記のとおり2006年3月4・5日(土・日)の開催と決定しました。

シンポジウムの詳細は、順次ご案内していきます。今年もどうぞご期待ください!







Other Information
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■4■ 報告・メディアリテラシーの試み
        ―― 東海大学・学生たちの「4元マルチキャスト中継」
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  〜〜学園祭のこの季節。神奈川県にある東海大学では、約40人の
  学生たちが学園祭にともなうある「イベント」のために力いっぱ
  い走り回りました。「学園祭を発信する」というイベントです。 
  「マルチキャスト中継」と名づけられたこのイベントは、CATV、
  インターネット放送、FMラジオ、地上波という4つのメディアを
  つかって学園祭の様子を放送するというもの。学生たちを応援しつ
  づけた同大学の水島久光さんの報告をお届けします〜〜


 11月3日。その日彼らは朝6:00に集合してステージの準備を始めていまし
た。9月上旬、地元CATV局「湘南ケーブルネットワーク」から元大学祭実行
委員の一人の学生に「大学祭の生中継をやりませんか?」と打診があって以
来2カ月。こつこつと準備を進めてきた1年生から4年生約40人のスタッフは、
前夜までに番組内に挿入する22本のVTRを仕上げ、まともに寝ていないはず
なのにいたって元気。遅れてきた我々教員を尻目に、各々持ち場を走りまわっ
ていました。
 CATVでの2時間の公開生中継の企画・制作のすべてに加え、同じ映像の
インターネット配信、並行して地元FM局(FM湘南ナパサ)の「丸ごとい
ちにちスペシャル」(10時間)のメインキャスターとレポーター、技術補助
を任され、さらに前日には地上波(テレビ神奈川)にも生出演。4つのメディ
アにまたがって、大学祭というひとつの出来事をどう伝えるか──いよいよ
メインイベントのスタートです。
 9:00、ラジオのオープニング。快調なトークに一安心。しかし10:00すぎ
から始まったCATVのカメラテストではみんなの動きが堅い。いくつかの不
安を抱えながら13:00、緊張気味にMCが喋り出し、いよいよCATVの公開
生放送がはじまりました。ドキュメントからバラエティまで4つのコーナー
を次々に刻み、15:00ちょうど「タイトルコール」とともに終了。本当にあっ
という間でした。やり遂げた感動もそこそこに撤収、ラジオチームの応援に。
19:00には無事ラジオもフィナーレ。この夜は学生たちとボロボロ涙を流し
ながら飲み明かしました。
 初めは「無謀な挑戦」とのためらいもありました。しかし学生たちはあく
までも仲間を大事にし、問題解決方法を自ら学び、プロの方々ときちんと向
き合い、この難関を乗り切ってしまいました。この間我々は若干のスケジュー
ル管理と判断の手助けをしただけ──その潜在力には全く驚かされました。
 東海大学広報メディア学科には、多少の番組制作教育の蓄積はあります。
しかし、今回は教員が彼らから学んだものの方が大きかったように思います。
今まで我々は「実践的教育」を志向するといいながら、単に「映像作品」を
作ることで満足してはいなかったでしょうか。もちろん「映像」は放送の大
事な要素ではあります。しかしそれ以上に、組織的な人の動き、システム、
「妥協」も含む多くの判断が機能しなければ「放送」は成立しません。この
膨大な意思決定プロセスを、彼らは体験できたのです。加えて「生」である
ことの意味──多くの制作者と視聴者が同じ時間を刻む、というリアリティ
がそこにはありました。生中継は、コミュニケーションの空間的広がりを実
感できる場でもあったといえます。
 その夜彼らは満足感に浸るだけでなく「あそこでは、もっとこうできた」
と、悔し涙もたくさん流しました。この子らはまだまだ伸びる・・。そのた
めにはどんどん機会を作り続けなければいけない。いやむしろ彼らは、今や
自分たちから「先生、こんなことをやりたいんだけど」と次々持ち込んでく
るようになりました。我々教員は、大人ぶって彼らの「無謀さ」を諭すので
はなく、どうやってその意欲の受け皿になるか、それを何より真剣に考えね
ばならないようです。(水島久光:東海大学、メルメンバー)


□東海大学文学部
(「マルチキャスト中継」のことが紹介されているページ)
http://www.hum.u-tokai.ac.jp/archives/2005/10/51_2.html





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■5■ 報告・メディアリテラシーの試み2
            ――東北大学・メディア研究機構が始動
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  〜〜いっぽう、東北大学では2005年10月にメディアの総合研究
  組織「メディア研究機構」が設立されました。代表を務める関本
  英太郎さんから、同機構の紹介とオープニングイベントの報告を
  寄せていただきました〜〜


 さる11月5日、東北大学で「メディア研究機構」のオープニングイベント
が開催されました。「メディア研究機構」とは、この10月、学生がマスメ
ディアの現場で働く人やOBと一緒に改めてメディアについて総合的に考える
ために設置した研究と実践活動を目的にした組織です。報道・放送メディア
では相変わらず信頼を損なう不祥事が続いていますが、それだけに学生がそ
の現場で働く人と一同に介することによって改めて「送り手」としての使命
や役割を徹底して検討し、さらに実践的に表現・発信する能力を培おうとす
るものです。
 東北大学大学院情報科学研究科メディア文化論研究室では、2001年12月
に「メディア・リテラシー・プロジェクト」を立ち上げ、とりわけ「市民メ
ディアを立ち上げよう!」のスローガンのもと、文字どおり市民を対象にし
た「パブリックアクセス」に力を注いできました。このたび、加えて学生を
中心にした活動組織を旗揚げすることにより、このプロジェクトの活動はさ
らに幅広く強化されることになります。大学と報道・放送メディアが大学を
拠点にして共同で取り組むというのは東北地方には例がないだけに、今後彼
らの協力のもとに魅力ある刺激的な活動をどしどし展開したいものです。
 「メディアを学ぼう、メディアを使いこなそう!」と銘打ったそのオープ
ニングイベントは、マルチメディア教育研究棟(北川内キャンパス)を会場
として、講師に水越伸氏(東京大学情報学環)、メディアの現場から今野俊
宏氏(河北新報社)、長南昭弘氏(TBC東北放送)、郷内史彦氏(ケーブル
テレビキャベツ)、大久保朝江氏(杜の伝言板月間「ゆるる」編集長)を招
き、他に「機構」に参加する学生17名、教員5名、さらに情報学環の院生3
名も加わり、総数30名の参加のもと開催されました。
 プログラムとしては、あいさつの後、まず水越伸氏から、メディア研究史
を背景に現在にメディアの送り手と受け手との循環関係を研究することの重
要性について講義を受けました。続けてニュースの伝え方がメディアに応じ
ていかに違うのか、メディアのプロと一緒に実際にそれを制作し体験する
「ワークショップ」が行なわれました。今回はテレビ、新聞、ラジオ、雑誌、
インターネットを取り扱いましたが、期待以上の出来上がりに大いに盛り上
がりました。最後にそれを踏まえて参加者全体で意見を交わし合いました。
総括的に、私たちが暮らしているこの高度情報化社会は、自分では自覚して
いないかもしれないが、実は社会の構成員全体で形成しているのだというこ
とが実感できる実りあるイベントであったと思います。
 メディア研究機構では、今後さらにさまざまな活動に取組む予定です。大
いに期待して下さい。またその際皆様にもご協力のほどお願いいたします。
(関本英太郎:東北大学大学院情報科学研究科、「メディア研究機構」代表)




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■6■ 報告・メディアリテラシーの試み3
                ――ソフィアさん、福岡に見参!
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  〜〜10・11月公開研究会でお話しいただいたソフィア・ウーさん
  が福岡で講師を務めたセミナーの報告が届きました。メル公開研
  究会でも通訳をされた劉雪雁さんとのコンビで、九州でもおおい
  に盛り上がったようです〜〜


 11月17日、九州大学ユーザーサイエンス機構サテライト・ルネットにお
いて第1回コミュニティカフェが行なわれました。
 コミュニティカフェとは、福岡を拠点とするNPO「子ども文化コミュニ
ティ」と九州大学ユーザーサイエンス機構「子どもプロジェクト」が共同で
開催する、市民と専門家が出会い交流する気軽な学習の場で、子どもをテー
マに各分野で活躍する専門家をゲストに迎えシリーズで開催いたします。
 第1回目は台湾からこられた国際的なメディア・リテラシー教育の研究者
ソフィア・ウー(呉翠珍)さんに「メディアリテラシーの最前線」について
お話していただきました。手作りのオーナメントやテーブル飾りが素敵に飾
られた会場で、アップルティーの香りが漂うアットホームな雰囲気の中でセ
ミナーが始まりました。
 ソフィアさんは、
1.なぜ人はメディアリテラシーを学ぶ必要があるのか。
2.子どもがメディアリテラシーを学ぶ意味は何か。
3.世界各国のメディアリテラシー教育の紹介。
4.台湾でのメディアリテラシー教育の背景と現状。
5.「別小我看」(甘く見ないで)の視聴と解説。
6.学校や家庭におけるとりくみの具体的な事例。
というスペシャル・メニューで一般の人にもわかりやすいよう短く整理され
てお話してくださり、参加された方に大変好評でした。もちろん、劉雪雁さ
んの素晴らしい通訳の力も大きかったです。最後に、ソフィアさんは2年前、
福岡の子どもたちと台湾の子どもたちがビデオ交流をしたときのことを紹介
されました。
 この交流に当時小学生として参加していた女の子(現在は中学1年生)が、
期末考査中で下校が早かったこともあって、ぜひ劉さんやソフィアさんに会
いたいということでセミナーに参加していました。彼女からも、当時の活動
の感想や、現在子ども文化コミュニティで活動しているメディアキッズ通信
(新聞づくり)のとりくみの様子が紹介されました。 
 ソフィア・ウーさんは「メディアキッズ通信のようにメディアを使って自
分が発信する活動は、その過程の中でメディアの特性を理解し、危険性を考
え、様々な方向から検討し情報を作ることを体験することができる。メディ
アリテラシーにはとても有効なプログラムですね」と話されました。
 このセミナーをきっかけにメディアについて理解を深めていくことや、自
分自身の主体的な関わりを持って自分とメディアとの関係、社会とメディア
との関係を考えていくことが大切であることを捉え直すことができた人が多
かったように思います。この会はRKB毎日放送の取材を受け、セミナーの
様子は翌朝のニュースで放送されました。
(高宮由美子:メルメンバー、子ども文化コミュニティ代表理事)


□九州大学ユーザーサイエンス機構
http://www.usi.kyushu-u.ac.jp/
□NPO 子ども文化コミュニティ
http://www.kodomo-abc.org/






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■7■ 12/23 「いま、中学生にとってテレビとは」のお知らせ
          ――テレビをめぐり、番組制作者と中学生が討論・議論!
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 「放送倫理・番組向上機構(BPO)」が運営する「放送と青少年に関する
委員会」が、クリスマス直前の23日(金・祝)に中学生フォーラム「いま、
中学生にとってテレビとは」を開催します。教育、ドラマ、報道、バラエ
ティなど各種番組の制作者と中学生とがじかに対話・議論をおこなうという
ものです。ご関心のある方はぜひお運びください! メルメンバーの中村純
子さんも、参加中学の一陣営として参加されます。



           中学生フォーラム
       「いま、中学生にとってテレビとは」
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  〜〜 多メディアの中で生きる現代の中学生にとって、テレビはど
  ういう存在なのか。そして、どう付き合っていけばいいのか。参加
  各校の発表を交え、番組制作者と中学生が議論を繰り広げます 〜〜

 □日 時  2005年12月23日(金・祝) 午後1:30〜4:00時(開場午後1:00)
 □場 所  千代田放送会館2階ホール(千代田区紀尾井町1-1)
 □申込み  から
       お申し込みください
 □定 員  100名(先着順)
 □登壇者
  〔参加校〕 ※各校4人程度の登壇を予定しています
      川崎市立宮前平中学校、桐朋女子中学校
      青梅市立泉中学校、墨田区立墨田中学校
  〔番組制作者〕
      熊埜御堂朋子(NHK教育番組センター)、井上健(日本テレビ編成
      局)、杉尾秀哉(TBS報道局)、西山仁紫(フジテレビ編成制作局)、
      宮川晶(テレビ朝日報道局)、松本篤信(テレビ東京制作局)
   司会  斎藤次郎(教育評論家)、麻木久仁子(タレント)


□ 中学生フォーラム「いま、中学生にとってテレビとは」
http://www.bpo.gr.jp/youth/f-forum.html














          (2005年12月号 おわり)
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    「メルの環」はお申し込みをいただいた方々に配信しています
        無断転載をご遠慮いただいていますので、
        転載を希望される場合はご連絡ください
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 □ご意見、お問い合わせは
   --------> shin を @iii.u-tokyo.ac.jp  のまえにつけたアドレス
       (コーディネーター:水越伸・東京大学大学院情報学環)
 □配信希望、登録アドレスの変更、登録解除などは
   --------> t-matsui を @kt.rim.or.jp のまえにつけたアドレス
       (「メルの環」編集担当)
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             「メルの環」編集担当
   松井貴子(水越研究室アシスタント) 土屋祐子(慶應義塾大学)
   崔銀姫(北海道東海大学) 高宮由美子(NPO子ども文化コミュニティ)
   山根かおり(pampam)
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         東京大学大学院情報学環「メルプロジェクト」
              
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Media Expression, Learning and Literacy Project
on Interfaculty Initiative in Information Studies, The
University of Tokyo
Copyright (C) 2002-5 MELL Project All Rights Reserved.
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